水に空気の混入した流れ、気液2相流の現象について3種類の実験を行った。すなわち、ダムの越流部の提し導流水路の中の流れ、ダム放流管の中の流れ、下水管の鉛直シヤフト内の流れについて、それぞれ3種類の大きさの模型を用意して実験を行った。その結果第1の現象では、模型の小さい場合で越流水深が小さく、流下高さが小さい場合には空気の混入がないことが判明し、流下高さが50cm以上でないと空気の混入が生じないことより相似性模型の最小寸法があることがわかった。空気の水路内での分布状況を水路内6点について鉛直断面について測定した。今後より流下高さの大きい水路での観測をし模型実験での相似性について解明する。後者の2つについては水の流速、流れの形態との関係で空気の連行量がどのように変化するかについて測定した。その結果ダム放流管では同じボイド率で各種の流れ、すなわち気泡流、プラグ流、スラグ流などが存在することがわかり、水の流速との関係で解析をしている。下水管の縦シャフト内の流れでは側壁に沿って流れる水脈の厚さ、流速に空気の連行量が支配されていることが判明した。側壁に沿う流れの流速は落下に従って加速され、その早さは水脈の厚さが厚いほど大きくなり、空気の連行量も管路の長さが長いほど、流速が早いほど多くなる傾向があることが判明した。今後より大型の模型によって実験を行い現象の解明をする予定である。
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