研究課題/領域番号 |
06452280
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 教授 (00100058)
|
研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 工学部, 助手 (80220242)
芳賀 哲也 北海道大学, 工学部, 助手 (00113605)
村尾 直人 北海道大学, 工学部, 助教授 (00190869)
|
キーワード | 都市活動 / 大気汚染微粒子 / 地球温暖化抑制効果 / 二酸化硫黄 / 硫酸イオン粒子 / 沖縄地域 / バックグラウンド大気浮遊微粒子 / 後退流跡線解析 |
研究概要 |
本研究では、沖縄地域を観測地として、太平洋沖合のバックグラウンド大気浮遊微粒子と、中国、韓国、台湾などの都市活動、産業活動の盛んな地域から偏西風に乗って輸送されてくる人為起源(大気汚染)浮遊微粒子のサンプリングおよび化学分析を行い、その結果を用いて大気浮遊微粒子が地球温暖化に及ぼす影響を予測することを目的としている。今年度は、沖縄本島北端の辺戸岬において大気浮遊微粒子の一ヵ月毎のサンプリングを開始した。ただし、当初、停電の問題や夏季の観測所室内と外気との温度差による装置内の結露などの問題があり、秋期以降ようやく本格的なサンプリングを開始している。 これまでの分析結果では、試験的に測定された春期の浮遊微粒子濃度は、例えば硫酸イオン成分は約2μg m^<-3>であり、札幌と同程度の濃度を示した。一方、硫酸イオン粒子の前駆物質である二酸化硫黄ガス濃度は、春季が0.1ppbv程度であるが、夏季には0.06ppbvに低下している。現在、秋季以降のサンプルについて分析を行っているところである。また、地上での東風の場合のみのサンプリングも行っているが、沖縄を起点とする後退流跡線解析を行ったところ、春期および秋期には地上で東風の場合であっても上空で西風となっている場合が見受けられた。 以上の点から、今後の大気浮遊微粒子のサンプリング法として、一ヵ月間毎の連続吸引捕集の他に、一週間毎の連続吸引捕集を行い、毎日1回の後退流跡線解析を行って各一週間の風向を決定し、ほぼ一週間連続して東風が吹いていた場合および西風が吹いていた時期に捕集された微粒子の分析結果から、各々太平洋のバックグラウンド大気浮遊微粒子および中国大陸からの汚染大気微粒子の光学特性を推定していく予定である。
|