建長寺の仏殿と法堂について、関東地震による建物被害の内容を再度インタビューを行った。内容は、建物の様式・形式、立地条件被害の部位被害の程度、方角、などである。また、両建物の歴史的な履歴を整理した。また、それぞれの建物の架構形式・部材寸法など構造的な要素を整理するとともに、建物の重量や各部の剛性などを推定した。 また、解析上必要な諸元を得るために、次の部位の挙動に関する文献を整理した。 (1)柱の転倒性状、(2)組物の地震時の挙動、(3)貫と柱の接合部の挙動。 さらに、貫と柱の接合部の挙動に関する部分実験を実施した。特に、これまで行われていない継手のある貫の実験を実施した。その結果、継手付きの貫接合部は方向性があることなどが明らかになった。また、これより貫-柱接合部の強度性状を把握することができたので、今後は、解析を実施する予定である。
|