1 集合住宅における気密性能や外界条件と漏気量、換気量の関連性に関する長期実測調査 (1)住棟・階数・平面型が同一の2住戸の内、一方の単位床面積当たりの相当隙間面積αA'=0.63cm^2/m^2、他方はαA'=3.23cm^2/m^2に改良した上で、模擬的な排気型、集中リターン・ダクト式の2種類のセントラル換気システムを設置した。CO_2定常発生法に基づいて、設備停止時、及び、各設備運転時における2住戸の住戸全体の漏気量・排気量を、また、住棟屋上に設置した風速計で外部風向・風速を連続測定した。 (2)集中排気型セントラル換気設備運転中の換気量を2住戸で比較すると、高気密住戸は外界条件の影響が少なく、他方は外界条件による変動が大きかった。 (3)集中リターン・ダクト式の場合も低気密住戸の換気量は、外部風速による変動が大きかった。 2 適切なドア・アンダーカット寸法の検討 (1)上記2種類のセントラル換気設備を設置した実験気密住宅を使用して、ドアアンダーカット寸法を変化させた場合の室間静圧分布、室間空気流動を測定した。 (2)集中排気型セントラル換気設備の場合、輻流型給気口の相当隙間面積の合計値と住宅の隙間面積が同程度であったため、導入外気量と漏気量が殆ど同じ量になってしまい、適切なドア・アンダーカット寸法の検討が出来なかった。 (3)集中リターン・ダクト式の場合、寸法が小さすぎると吹出口のある居室の静圧が高くなりすぎ、漏気が増加した。目安としては、15mm以上の寸法が必要であると判断できた。
|