研究課題/領域番号 |
06452298
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
小峯 裕己 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20114481)
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研究分担者 |
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部, 助教授 (70178094)
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キーワード | 気密住宅 / セントラル換気 / 気密性能 / 導入外気量 / 漏気量 / 室間空気流動 / 換気経路 / レンジフード |
研究概要 |
1 設計援助用換気計算プログラムの開発 住宅の各部位毎の気密性能、換気用部材の通気抵抗、送風機のP-Q特性、セントラル換気システムの機械換気風量を入力条件とし、各室の給排気風量、室間相互換気量、室間静圧分布、漏気量、換気経路を推定することが可能で、安定した解が求められる設計援助用換気計算プログラムを開発した。同プログラムは、住宅用各種換気システムへ適応できるものである。 プログラム開発に際して、自然換気力や機械換気力のモデル化を行った。 2 換気計算プログラムの入力用データの整備 平成7年度までの研究で整備した入力データの他、換気用送風機器の特性のデータベース化、屋外気象条件に起因する屋外圧力などの入力データを整備した。 3 換気計算プログラムの計算精度の検証 独立住宅の実験住宅を用いたセントラル換気システム運転時における室内外静圧差・室間静圧差の実測結果と開発した設計援助用換気計算プログラムを用いたシミュレーション結果との照合を行い、開発した計算プログラムの計算精度を検証した。室間静圧差は、殆ど一致していたが、室内外静圧差は、入力値の外壁の相当隙間面積の測定値に誤差があったため、符合しなかった。外壁の相当隙間面積を補正して入力したシミュレーションでは、両者とも殆ど一致した。これから、開発した計算プログラムは設計援助用として充分使用に耐えると判断した。 4 設計援助用換気計算プログラムの運用 開発した換気計算プログラムを用いて、集合住宅と独立住宅を対象としたシミュレーションを実施した。その結果、次のことが明らかになった。 (1)独立住宅の場合、集中排気型で計画換気を実現するためには、全外気導入口の累積相当開口面積と外壁の相当隙間面積が符合すること、2階の外気導入口から外気が確実に流入するためには設置高さにも留意する必要があること、同時給排気型の方が集中排気型より、外部風の影響が少ないこと、レンジフードは同時給排気型にしなければならないこと等が判明した。 (2)集中住宅の場合、集中排気型に比べ、同時給排気型の方が多少、気密性能が緩やかでも構わないこと、集中排気型は、外部風が強いときに外気が導入できず、排気側になる可能性が高いこと等を明らかにした。
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