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1994 年度 実績報告書

エピタクシアル成長させた金属多層膜のナノスケール界面構造と電子物性

研究課題

研究課題/領域番号 06452313
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 雅彦  大阪大学, 工学部, 教授 (30029160)

研究分担者 保田 英洋  大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
角田 直人  大阪大学, 工学部, 助教授 (20029200)
キーワード金属多層膜 / エピタクシアル成長 / ナノスケール解析 / 界面構造 / 電子物性 / 走査型プローブ顕微鏡 / 表面トポグラフィー / 垂直磁化
研究概要

強磁性元素であるCoと非磁性元素であるPtとを選び,多層膜の基礎となるPt単層膜およびPt/Co多層膜を,分子線蒸着法をもちいて,Si(111)基板上に成長させ,エピタクシアル成長に必要とされるSi基板の状態やCuバッファ層の役割について調べ,さらに多層化の効果を調べた。
Pt単層膜の実験では,Si(111)基板を加熱して表面を(7×7)構造にした場合は購入したままの状態2種類を,また,Cuバッファ層を挟んだ場合と挟まない場合との2種類を選び,組み合わせて合計4種類とした。表面を(7×7)構造にした場合は表面がきわめて清浄にされたことを意味しているし,購入したままの状態は表面にSiO_2が存在することを意味している。Pt/Co多層膜の実験ではCuバッファ層を挟んでいる。
清浄なSi基板上に積層したCuバッファ層は平坦な表面を持ち,その結晶方位関係はCu(111)〈112〉//Si(111)[110]であった。このCuバッファ層状ではPt膜およびPt/Co多層膜はエピタクシアル成長した。結晶方位関係はPt(111){112]//Cu(111)〈112〉であった。Pt/Cu,Pt/Co,Co/Ptの金属同士のエピタクシアル成長は,面内格子定数を連続的に変化させる。pseudomorphic成長をした。清浄なSi基板上に直接Ptを積層すると(111)面配向組織は得られたが,面内方位は特定の方位関係を持たなかった。Pt/Si界面にはPtの珪化物が生成した。SiO_2に覆われたSi基板上に積層したCuバッファ層は多結晶組織となり,さらにその上に積層したPt膜も多結晶組織となった。SiO_2に覆われたSi基板上に直接Ptを積層すると,弱いながら(111)面配向性を示した。また,結晶が合体して数百ナノメートルの結晶となった。上記の結果を踏まえて,Cuバッファ層上に作成したPt/Co多層膜はエピタクシアル成長し,優れた垂直磁気異方性を示した。
現在,界面の3次元構造を走査型プローブ顕微鏡ナノメータスケールで,また,断面構造を電子顕微鏡によって調べている。さらに,電子物性との相関を考察する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Nishikawa et al.: "Thickness dependence of surface topography and crystal growth of MBE-grown Pt films studied by STM/AFM and RHEED" Proc.13rd Int.Congress on Electron Microscopy. 13. 565-566 (1994)

  • [文献書誌] K.Nishikawa et al.: "Microstructure of MBE-grown Pt film on Cu buffer layer and Si(111)-(7×7) substrate" Proc.13rd Int.Congress on Electron Microscopy. 13. 1161-1162 (1994)

  • [文献書誌] M.Yamamoto: "Proc of 40th International Field Emission Symposium" North-Holland, 443 (1994)

  • [文献書誌] 山本雅彦: "走査トンネル顕微鏡/原子間力顕微鏡利用技術集成,金属薄膜・多層膜の表面トポグラフィー" テ-・アイ・シイ-(分担執筆), 401 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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