研究課題/領域番号 |
06452322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
本間 基文 東北大学, 工学部, 教授 (50005261)
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研究分担者 |
籠谷 登志夫 東北大学, 工学部, 助手 (40005343)
杉本 諭 東北大学, 工学部, 助教授 (10171175)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | フェライト磁石 / SrO6Fe_2O_3 / 7SrO5Fe_2O_3 / BaO6Fe_2O_3 / BaOFe_2O_3 |
研究概要 |
ストロンチウムフェライト系磁石の主磁性相であるSrO6Fe_2O_3とそれに隣接する低Fe_2O_3組成化合物の同定とその間の組織と磁気特性について、X線回析、磁気的性質の測定、組織観察を行い検討し、以下の研究成果を得た。 1.主磁性相SrO6Fe_2O_3に隣接する低Fe_2O_3組成の化合物(隣接相)は既存の状態図等に示されている3SrO2Fe_2O_3ではなく、7SrO5Fe_2O_3(菱面斜方晶)あると同定した。これは本系磁石と同系列のバリウムフェライト磁石(BaO6Fe_2O_3)において、隣接相がBaO Fe_2O_3(スピネル立方晶)であるのとは異なっている。 2.主磁性相SrO6Fe_2O_3への隣接の固溶範囲は共晶温度近傍(1470K)で約2mol%Fe_2O_3認められるが、その温度範囲は狭く1450K以下で消失している。それに対して、BaO6Fe_2O_3は室温まで固溶範囲(2mol%Fe_2O_3が認められ、両系の隣接相の結晶構造の違いが寄与していると考えられる。 3.磁化の強さはmol%Fe2O3の低下ともに直線的に低下し、7SrO5Fe2O3組成で消失する。一方、保磁力は粉砕粒子および焼結体とも組成が7SrO5Fe_2O_3近づくにしたがって増加し、7SrO5Fe_2O_3組成以下で消失する 4.以上の結果より、SrO6Fe_2O_3のSrOの一部をBaOで置換した化合物系において、固溶限を調整し、主磁性相中への隣接相の析出を制御できれば、磁壁のピンニングによる保磁力の発生が期待できることが示唆された。
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