研究概要 |
Tiの溶融塩電解における,溶融塩中Tiイオンの金属Tiへの還元反応の検討のため,本年度は,添加剤として弗化物を少量添加した場合のTi電析物性状について検討した.その結果,弗化物の添加により電析物の形状が大きく変化し,特に電析物が全く得られなくなる弗化物濃度範囲が存在することを明らかにした.また,電析物純度にも弗化物添加量が大きな影響を与えることを確認した.これらの成果は平成7年9月に開催された(社)電気化学協会秋季大会において口頭発表した.一方,金属Ti電析反応の対となる酸化反応に関しては,本研究では水素ガスの酸化反応の利用を試みる.本年度はこの目的のため,溶融塩中での水素ガスの酸化反応について検討を加えた.その結果,溶融塩中で水素ガスが酸化されて水素イオンとなる反応が起こり得ることを確認した.そして,反応の起こる電位条件等を特定し,この反応の利用によって,Ti電解採取法のエネルギー節減が可能であることを明らかにした. 一方,Ti硼化物の電解コーティングについては,溶融NaF-NaBF_4-Na_2TiF_6浴中でTiイオンの電極反応を詳しく検討するとともに,電解によりNiおよびFe板上へのTiB_2のコーティングが可能であることを明らかにした.そして,良好な皮膜を得るための電解条件を特定した.これらの成果を電気化学協会誌に発表するとともに,平成7年12月に開催された日米金属学会合同大会において発表した.
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