1)飛行制御の基礎理論の開拓前年度に引き続き飛行制御の理論的研究を行った。 H無限大制御、非線形制御、むだ時間系制御、適応制御などの種々の制御理論やその飛行制御への応用研究を行い、研究発表の項目に示す成果を得た。 2)回転する円形平面翼の運動特性の解明 平成6および7年度の2年間の成果に基づき、回転する円形平面翼の運動特性を理論および実験両面から検証した。フリスビ-型翼は平成6年度の風洞実験では小さい負の頭下げモーメントを示した。一方、平成7年度の飛行経路の測定実験では小さい正の頭上げモーメントが作用している場合に理論解析と実験は一致する。この相異を更に詳しく調査するため、再度風洞実験を行ったところ、ピッチングモーメント係数は、迎角20度以下では小さい負から、20度以上では正に変化する。フリスビ-型翼は平板翼に比し大きな抵抗係数のため、飛行速度が減速するにつれ大きな迎角を取り、それにつれバンクしながら所定方向に旋回していくことを確認した。飛行安定性の観点から見れば、翼を回転させることにより得られるジャイロ剛性による安定増加効果は有力なものであるが、操縦性とのバランスを図る必要がある。操縦方式をいかにするかは今後の課題である。
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