研究概要 |
本研究ではスペースデブリの中では低速度域ではあるが、むしろそれ故1次衝突後の後方物体に対する2次破壊力がかえって大きくなると考えられる危険速度(約3Km/s付近と推定される)近傍での現象を明らかにすることを目的とする。本年度に行った研究内容及び結果は以下の通り。 1.低速度域(〜2Km/s)での衝突実験 (1)微小粒子分離技法の開発(サボから微小粒子のみを分離し衝突させる技術) (1)一体サボ,分離サボあるいは分離のための分離管々種々の形状のサボ分離管について試験を行ない、ほゞ〜2Km/sまでの範囲での微小粒子分離技法を開発した。 (2)速度計測法としては、マグネット-コイル法,絶縁薄膜法,レーザ法等の検討を行った。 各法とも一長一短があり、現在のところマグネット・コイル法とレーザ法を併用するのが安定した結果を得る。 貫通による2次損傷 アルミ2024板(3mmt)をバンパー材としたとき、これに0.15gの微小粒子を種々の速度で衝突した場合の損傷を調査した。貫通限界は0.9Km/sであり、これ以上の速度では後方物体に何らかの損傷を与える。〜2.3Km/sまでの試験範囲では速度が大きい程、2次損傷も大きくなりまだ臨界速度に達していない。 中速度域(2〜4Km/s)での衝突実験 本年度購入した2段軽ガス高速発射管(2SG-07)を用いて7φプロジェククタイルでの衝突実験を行った。現状では速度コントロールと速度計測に問題があり2次損傷の定量的関係は明らかになっていない。これらは来年度の課題としたい。
|