本年度行なった実験は次のようである。(1)管内を飛翔体が通過するシグナルを得る時期センサーを開発し、作動を確認した。(2)気体デトネーション駆動式軽ガス銃を用いた飛翔体発射装置を完成させ、各部の初期条件に対する飛翔体発射速度を測定し、発射速度に対する最適条件を調べることができた。(3)ラム加速管内の観測窓部を飛行する飛翔体を同期させて瞬間シュリーレン写真を撮影できるように計測システムを整備した。(4)不燃ガスを入れたラム加速管内に飛翔体を走行させ、形成される衝撃波形状を調べた。 しかしながら計画通りに作動しない部分が出てきたため、急きょ発射管とラム加速管との間に排気ダンプタンクを製作し設置した。この結果、所定の特性を得ることができた。可燃ガスを入れた実験を行なうには、飛翔体の初期速度をもう少し上げる必要があることがわかり、現在そのための改良を行なっている。計画では、初年度に燃焼試験を行なうところまで進めることになっていたが、これらのトラブルのため少し遅れている。 また実験と比較検討できるような理論解を数値計算によって得るために、計算機プログラムを開発した。複雑な形状物体に対する境界条件を正しく与えるためのアルゴリズムをつくるのに少し時間がかかったが、あらする境界形状をもる高速燃焼流れ場を解くことができる汎用プログラムをほぼ完成させることができた。いくつかの試行計算を現在行なっており、その有効性を確認した。あといくつかの改良、手直しをする必要があるが、次年度には実験と対応させた計算を実行できる見通しである。
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