海陸一体運航を効果的に行うためには、海陸で運航管理基準を共有して相互に支援することが重要である。本研究では70隻の自動車専用船の運航実績すなわち、年間の事故・トラブル、スケジュールの遅れおよび乗船して運航状況をチェックした検船結果を分析して、運航状況を改善する方策を検討した。 評価手法として運航の現状把握には統計的手法を用い、改善方策の検討には数理的手法である包絡分析法を用いた。事故データと遅延時間のデータから機能別事故率、損害率を求めて、これらと検船評価との関係を調べた結果、機関故障など船内システムの不適合に起因すする事故は対応する評価項目との統計的対応が見られるが、衝突など外部との不適合で生じる事故は検船では検出する事が難しいことが判明した。 さらに、これらの船舶群のうち、船齢、人件費などの投入資源に対する事故や遅延の出力指標の比を効率性の指標として包絡分析法を用いて調べてた。この手法によって、最も効率的に運航されている船舶を選び出すことができ、それ以外の船舶を効率化するための投入資源や出力の改善量を検討することができた。また、本手法を船舶運航管理会社の管理成果についても適用し、同様の評価できた。
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