研究概要 |
平成8年度における実験研究では,主として超希薄燃焼限界と燃焼管内の温度分布について測定した.燃焼限界については,直径300mmの燃焼管を用いた実験を大流量空気-プロパン予混合装置を導入し,実用流量での実験に一歩近づけることを目的とした.その結果として,直径の径大化に伴い,予混合気の流量を増加させると,超希薄燃焼限界濃度曲線は通常の燃焼下限界濃度に漸近線的に近づいていく事が分かった. 燃焼管内部の温度分布の測定については,測定装置の改良を行い,より精密かつ高速な測定を可能にし,直径300mmの燃焼管について実験を行った.この結果燃焼火炎の形状は,過去の実験で判明していた上方に開いたラッパ状であるという事に加え,火炎上端部分に最高温部が存在する事,火炎下端は上端の位置に関わらず吹き込み口近傍までつながっている事,燃焼器中央部に火炎が存在せず,特に底部の温度が低く燃焼器中央部に軸方向の流れがあることを示唆している。そして火炎上端の燃焼管上部に移動するのに伴い,上端部の温度が低下する事が直径200mmの燃焼管までの場合とあまり変わらないことがわかった.また,超希薄燃焼条件下における定常燃焼時の温度分布を測定した結果,火炎の上端の位置が変化しない時は,火炎上端部の最高温度にもほとんど変化が見られなかった.以上の結果から,超希薄燃焼下限界濃度には,火炎上端の位置の移動に伴う火炎面の面積の変化が影響を与えていることが燃焼管の径大化により推察された. 理論解析では、熱収支モデルによるセンシティビティ解析では本燃焼器を十分に表しきれず、流れ場の予測を加えた数学モデルの構築を行った。
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