研究課題/領域番号 |
06452360
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岡村 宏 熊本大学, 工学部, 教授 (40040373)
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研究分担者 |
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 助教授 (50135315)
菅原 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (60109668)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 岩石 / 応力腐食 / 真空効果 / 水蒸気圧 / 岩石強度 / 一軸圧縮試験 |
研究概要 |
本研究は、岩石の超長期強度と深く関係する応力腐食現象の実験的解明を目的とする基礎研究であり、最終的には、1万年から10万年というような超長期にわたる岩石の安定・不安定を論じるための理論構築を目的としている。 従来の研究によると、岩石の破壊は内部クラックの進展の結果であり、破壊の最終段階を除くと、個々のクラックの成長がその先端における応力腐食に起因していることは明らかである。したがって、超長期問題を論ずる上で、応力腐食を支配する温度・水蒸気・応力などの寄与をさらに詳細に分析することが重要である。応力腐食に立脚した岩石強度論としては、佐野の研究などが上げられるが、実験的証明が十分とは言い難い。とくに、真空効果、ならびに空気以外の大気の影響についての実験は極めて少なく、系統的なものは皆無である。 そこで、本研究では、超高真空試験装置を作成し、超高真空下における岩石の1軸圧縮試験および圧裂試験を系統的に実施し、岩石強度と応力腐食の関係を明らかにした。成果をまとめるとつぎのようである。 1)超高真空試験装置を開発し、10^<-3>〜10^3Paの実験を可能とした。 2)超高真空下における岩石の1軸圧縮試験を実施し、岩石の1軸圧縮強度は真空度(水蒸気圧)が減少するとともに増加することを明らかにした。また、ひずみ速度を変化させた1軸圧縮試験を行い、ひずみ速度が増加すると1軸圧縮強度も増加することを明らかにした。 3)超高真空下における岩石の圧裂試験を実施し、岩石の引張強度は真空度(水蒸気圧)が減少するとともに増加することを明らかにした。また、ひずみ速度を変化させた圧裂試験を行い、ひずみ速度が増加すると引張強度も増加することを見いだした。 4)応力腐食理論によると、超高真空下における岩石の1軸圧縮試験および圧裂試験の結果は logS_c∝1/(n+1)log(ε/p),logS_t∝1/(n+1)log(ε/p) に従うことを明らかにした。ここに、StおよびStは1軸圧縮強度および引張強度であり、εおよびpはひずみ速度および水蒸気圧である。また、nは応力腐食指数であり、両試験より得られた応力腐食指数の値は約40であった。
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