研究課題/領域番号 |
06452366
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 強 京都大学, 農学部, 教授 (80021707)
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研究分担者 |
松本 康夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021728)
治多 伸介 京都大学, 農学部, 助手 (60218659)
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キーワード | 農村整備 / 環境保全 / 景観 / 生産環境 / 生活環境 |
研究概要 |
本年度は3カ年の研究計画の初年度として、地域環境保全のための農村整備計画策定手法について、神戸市北区山田町を事例として、現況調査と意向調査を中心として行った。その概要は以下のとおり。 1.本地区は六甲山系の北側に位置し、志染川沿いに拓けた水田地帯で、鉄道とバスを利用すれば約30分で神戸市中心部に到ることができるという交通至使の立地条件にあるが、全地区農振地域に属しており、志染川沿いの平坦部を中心として、まとまった農用地が保全されている。 2.本地区の農業は水田が中心であるが、転作作物としての菊栽培が盛んで、専業農家率も比較的高く、かなりの収益をあげており、神戸市内でも農業の盛んな地域である。しかしながら、平均経営規模は55アールと小さく、また高齢化がすすんでおり、将来への展望には厳しいものがある。 3.農地は圃場整備が行われていないため小区画不整形で、用排兼用水路ままであるが、農道は一応の整備が行われており、農道に接続しない農地は見あたらない。しかしながら、山間部の谷あいに位置する水田では道路が不備で、かなりの耕作放棄が見られる。 4.周辺の六甲山系や丹生山系には豊富な自然が残されているほか、地区内にはハイキングコースやサイクリングコース、神社仏閣、史跡類があるが、その一方では廃屋や耕作放棄地、コンクリートブロックによる河川改修、幹線道路沿いの広告類など、本地区の自然景観に影響を与えている事例も多い。 6.以上のことから、生産、生活基盤の整備とあわせて自然環境・景観の保全を図ることが本地区の重要課題であるといえる。
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