研究課題/領域番号 |
06452370
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 健 九州大学, 農学部, 助手 (50117272)
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研究分担者 |
平松 和昭 九州大学, 農学部, 助手 (10199094)
四ヶ所 四男美 九州大学, 農学部, 助教授 (80038265)
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キーワード | 水環境 / 親水 / 水質 / 吹送流 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
本研究は、ため池、クリークなどの比較的浅い停滞性の強い水域の水環境保全・改善に必要不可欠である外乱に対する水環境の応答特性を解明することを目的とする。停滞性水域へ作用する外乱には、機械的擾乱(風による流れと波)および熱的擾乱(日射による熱と光)がある。本研究では、この二つの擾乱が停滞性水域に作用した場合、その応答としての水域の循環流とその乱れの挙動および密度成層化過程と、水質環境要素の挙動を現地観測・室内実験により把握し、外乱に対する水環境の応答モデルを確立する。機械的・熱的擾乱に対する水環境(流速、水温、濁り、溶存酸素、全リン、全窒素など)の応答モデルを確立するには、各環境要素の平均量や乱流変動量および各要素間の相関をいかに定量的に把握するかにかかっている。しかし、機械的・熱的擾乱が複合的に存在する場における現象は極めて複雑である。本年度は、まず現地観測および室内実験を駆使して、現象の解明を図るとともに、これらから得た知見をもとに、停滞性水域の流れと拡散の計算アルゴリズムの構築を行った。観測フィールドとして佐賀県神埼郡神埼町にある横武クリーク公園(この公園は、既存のクリーク地帯を親水公園として整備したものである。)内水域を選定し、平成6年8月31日〜9月1日、平成6年11月7日〜8日の2回の昼夜観測を実施した。第1回観測は、熱的擾乱が卓越した条件、第2回観測は熱的・機械的擾乱が複合した条件のもとでの観測結果を収集することができた。特に、擾乱に対する溶存酸素の応答特性を詳細に把握することができた。室内実験では、現有の風浪水槽、2方向成分ホットフィルム流速計、熱電対型測温計および新規購入の信号処理装置を使用して、機械的擾乱のみが存在する場での実験、熱的擾乱のみが存在する場での実験および2つの擾乱が共存する場での実験を行い、浅い停滞性水域内の流速、水温の乱流変動特性を把握した。現地観測および室内実験から得た知見をもとに、停滞性水域の流れと拡散の計算アルゴリズムの構築を行い、現在計算コードの開発を進めているところである。
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