研究概要 |
1)生体測定の体系化-最近の研究成果を包含して体系的な分類を行い,内容の充実を行った。今年度に得られた成果は次のようである。 2)玉葱の首締め特性-収穫玉葱の茎切断部は,水分蒸散が著しいので,乾燥による首締め収縮操作を必要とする。温湿度条件を組合わせた実験を行い,収縮の状況を明らかにした。これにより最適乾燥法の選択に役立てた。 3)渋柿の脱渋機構-脱渋はCO_2ガス処理前後の温度とその保持時間,ガス濃度とその保持時間及び収穫後の貯留日数が大きく影響するので,最適条件を把握すべく生体計測の面から検討した。脱渋前処理は温湿度環境,結露防止,温度むらの面から,ガス封入はガス組成と処理時間から,脱渋後行程は開封後の保温時間などから考察した。これらの諸条件の適当な組み合わせにより品質保持と能率面から最適値が存在することを明らかにした。 4)精米加工における食味保持-精米時は米温の上昇を伴うがそのまま放置すると温度下降に時間を要し,食味低下となる。精米後の温度と保持時間が著しく影響するので,種々の条件下で貯蔵実験を行った結果,精米直後に25℃以下になるよう冷却することが必要である。この食味計測には粘り,硬さによりバランス度で判断する。 5)形状分析と硬さ測定一昨年度試作した形状分析装置に硬さ計測部を設け,水分との相関性を解明しつつある。特に精度上の課題を検討している。
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