研究課題/領域番号 |
06452384
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
|
研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究室長 (50141982)
|
研究分担者 |
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究室長 (50132692)
富竹 徹 島根大学, 教育学部, 助教授 (00155566)
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 主任研究官 (30165732)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
キーワード | 算数・数学教育 / 文脈 / 教科書分析 / 質問紙調査 |
研究概要 |
本研究の目的は、子どもの「数学は生活と関係ない」、「数学は楽しくない」という意識を変えるための「社会的文脈における数学を重視した算数・数学教育」を考える上での重要な点を明確にすることにある。 このような子どもの意識の背景として、第1に、小中高の教師は、実際的な問題を授業ではあまり扱っていないが、一方、保護者は数学の社会的有用性を知らせることが重要だと考えていることが分かった。第2に、日本の教科書は「純粋な数学」が多く、一方、アメリカの教科書は「実世界の問題」が多く、イギリスはこれらの中間の「疑似的な実世界の問題」が多いことが分かった。 このような背景をもとに次の基本的な枠組みや論点が明らかにされた。小学校・中学校・大学における実世界の問題を扱った授業の実践を通して、子どもたちは生き生きと楽しそうに学習に取り組み、子どもたちの意識を変える可能性がある。諸外国では、オランダ、オーストラリア、アメリカ、イギリスでは、実世界の問題を多く取り入れた算数・数学教科書が発行されていたが、イギリスでは数学者が、数学の応用や問題解決の学習によって数学の概念の理解や技能の習得という点で高校生の数学学力が低下していると指摘している。さらに、数学教育史の立場からはわが国ではそのような教育があまり重視されなくなってきていること、心理の立場からは人間は部分的に集合的に理性的であるという考え方がこのような教育に合致すること、科学教育の立場からは数学自身が本来社会と密接につながっていること、ジオボードを教具した学習での数学的活動のあるべき姿が、指摘された。そして、これらをもとに社会的文脈を重視した算数・数学科のカリキュラムの構成に向けて、算数・数学の内容に対応した問題場面の一覧表を作成した。
|