研究課題/領域番号 |
06452386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀山 充隆 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (70124568)
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研究分担者 |
羽生 貴弘 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (40192702)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 高並列演算回路 / 線形演算回路 / リ-ド・マラ-展開 / 多値冗長符号 / 多値電流モード集積回路 / クリティカルパス遅延最小化 / 低消費電力多値集積回路 |
研究概要 |
知能集積システムの高性能化を目指し、入力桁に対する出力桁の依存度が少なく、演算遅延を定するクリティカルパスが短い高並列演算システムの系統的設計法の研究を行った。特に、線形性を活用すれば代数的取扱いが容易となることに着目し、シンボルレベルで与えられた演算仕様に対し、各シンボルの冗長符号割当に基づく高並列演算システムの系統的設計法を考案した。すなわち、有限体上の加算器と定数乗算器で構成される線形演算システムにおいては、入出力関係を表現行列で記述でき、等価な入出力関係を満たす符号変換を系統的に議論できる。このような線形演算回路の高並列化のために相似変換を用いれば、出力の各桁が入力の高々2桁にしか依存しない演算回路を構成できることを見い出した。 さらに、線形性に基づく設計概念を拡張し、より適用範囲が広いリ-ド・マラ-展開に基づく高並列演算回路の設計法を提案している。2次のリ-ド・マラ-展開は、線形代数における2次形式表現行列の対角化に帰着できることを見い出し、これを3次以上の高次へ拡張する方法を考案した。これは線形性の概念が非線形ディジタルシステムの設計にも適用可能であることを示す有用な成果である。 一方、極限微細化が進行したVLSIでは、チップ内配線の複雑さに起因する性能限界が深刻となっている。多値冗長符合表現に基づく演算回路を特長ある多値ハードウェアで直接的に実現できれば、より高性能化が推進されることが期待される。本研究では、物理的な回路実現の側面からも、「次世代多値集積化」と称してサブミクロン領域でも安定に動作する、世界初の高性能電流モードMOS集積回路の研究を推進し、従来延長上にはない次世代多値集積化に向けた電流モードMOS回路を考案した。
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