研究課題/領域番号 |
06452388
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松岡 聡 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20221583)
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研究分担者 |
高橋 伸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手
萩谷 昌巳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30156252)
米澤 明憲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00133116)
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キーワード | 宣言的GUI / 例示プログラミング / 視覚化 / アルゴリズムアニメーション / 宣言的アニメーション / 制約解消系 / 局所伝搬法 / 制約階層 |
研究概要 |
本研究の目的は、三次元、アニメーション、マルチメディアなどを複合した先進的GUIのための高度な構築法の斬新的なソフトウェアパラダイムを確立することにある。特に、プログラミングの専門家ではないGUIのデザイナが、ソフトウェアシステムの高度な支援を通じてその構築を容易に行うことを可能にする枠組みと、ソフトウェア基盤技術を開発・評価することを研究対象とする。本年度の成果は以下の通りである: (1)複数例示による対話的GUIプログラミングのインターフェースとその一般的構築法の確立:前年度の研究で、我々は非プログラマによるGUIプログラミングの有効な手法として、「例示の修正によるGUIプログラミング」の枠組みを提唱し、そのプロトタイプシステムIMAGEをSparc Station20-502システムでCommon Lisp上で作成した。本年度は、そのシステムの視覚的パ-ジングの部分に関して、局所的な構造の相互のインタラクションと、そのパラメタの学習により認識を行う「Link Model」を提唱し、その実証プロトタイプシステムを開発した。 (2)宣言的アニメーションインターフェースの確立:我々は、「絵・抽象的データ間の宣言的双方向変換の枠組」を時系列方向に拡張したモデルを提案し、宣言的記述でアプリケーション内のデータの動的挙動をアニメーション化する枠組みを確立した。本年度は、そのプロトタイプシステムTRIP2Aを拡張し、3次元のアニメーション表示が可能なTRIP3Dを構築した。また、その実応用として並列N体問題シミュレーションや、マルチプロセッサのキャッシュプロトコルなどの3次元アルゴリズムアニメーションを構築した。さらに、並列アニメーションに対応するためのTRIP3Dの複数イベント処理を含む更なる拡張の設計を行った。 (3)局所伝播法に基づく動的な制約連立が可能な高速制約解消アルゴリズム・システムの開発:先年度は、動的な制約の連立が可能で、インクリメンタルであり、しかも高速な制約解消アルゴリズムを実現する斬新的なアルゴリズムDetailを開発し、これまで局所伝播法では解けないとされていた制約系を高速性を損なわず解くことが可能となった。本年度では、(1)制約階層とその上での局所伝播法を数学的に定式化した「一般化局所伝播法」の理論を開発し、大局的準単調性などの重要な性質を調べた;(2)構築した理論に基づき、Detailを不等式が扱えるように拡張し、C_<++>上に実装し、その性能測定を行った。 これらの成果は、複数の国内外の会議で発表された。また、研究代表者の松岡は、複数のユーザインターフェースの国際学会のプログラム委員としても活動し、我が国のこの分野の発展に貢献した。
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