研究概要 |
1.リチウムコーティングの研究 リチウム蒸着による壁のコンディショニングに関して多く新しいの知見が得られた。すなわち、リチウムは強い不純物ゲッター作用をもち、O_2,H_2O,CO,CH_4などを捕獲する。また、水素プラズマと反応してリチウム原子1個につき水素原子1個の割合で多量に水素を吸収できる。このように水素と反応したリチウムは200℃を越えても融解することなく、400-700℃において水素を脱離してリチウムは蒸発する。 2.ECRマイクロ波プラズマを用いるボロンコーティング 超伝導磁場を用いる次世代の核融合装置を念頭において、2.45GHzの電子サイクロトロン共鳴放電のヘリウムプラズマにデカボランを流してボロンコーティングを試みた。ボロンの膜圧分布を詳細に調べた結果、ガス導入口の近くには、中性ラジカルによると思われる厚い膜が不均一に堆積するが、イオン性ラジカルは磁力線に沿って遠くまで運ばれるので、広く膜をコーティングできる見通しが得られた。これは、磁化プラズマを用いることにより大型容器を広く遠方までボロンコーティングできることを示す重要な知見である。
|