1 本年度は2年計画の初年度であり、現有ジャイロトロン(56GHz)による予備実験、MHD不安定性の軟X線カメラによる測定系・データ解析法の整備、及び新ジャイロトロン(88GHz)を使った新しい電子サイクロトロン加熱/電流駆動系の設計を行った。 2 低域混成波電流駆動プラズマをターゲットとし、現有ジャイロトロン(56GHz)によるミリ波を電子サイクロトロン加熱/電流駆動入射アンテナにより入射し、磁気軸上電子サイクロトロン電流駆動を試みた。その結果、磁気軸近傍MHD不安定性が励起される事が見つかった。その時間的な変化は鋸歯状振動に類似しているが、ポロイダルモード数はm=2であり、現在その振舞いを軟X線コンピュータトモグラフィにより調べている。 3 CAMAC規格の多チャンネル高速データ収集装置により軟X線カメラからの信号(計100チャンネル)をワークステーションに取り込み、つづいて解析し表示するオンラインデータ解析・表示装置が完成し、放電直後にプラズマのMHD不安定性の軟X線コンピュータトモグラフィ像を画面上に表示できるようになった。 4 新ジャイロトロン(88GHz)を使った電子サイクロトロン加熱/電流駆動実験のためのミリ波伝送系、及び入射アンテナの設計を進めた。赤外線カメラによりジャイロトロンからのミリ波の出力パターンを測定した結果、それが軸対称ガウスビームである事がわかり、現在、ガウスビームによる伝送・入射を基本とした方式による伝送・入射アンテナの具体的設計を行っている。
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