研究課題/領域番号 |
06452423
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大井 正一 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029154)
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研究分担者 |
大久保 衛 大阪大学, 工学部, 助手 (50243168)
杉本 敏司 大阪大学, 工学部, 助手 (70187665)
加古 雅史 大阪大学, 工学部, 助手 (80093392)
岡田 成文 大阪大学, 工学部, 助教授 (40135661)
後藤 誠一 大阪大学, 工学部, 教授 (90029140)
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キーワード | FRCプラズマ / FRCプラズマ閉じ込め / FRCプラズマ輸送 / FRCプラズマ加熱 / パルスイオンビーム / 磁場絶縁型イオンダイオード |
研究概要 |
本年度は、FRCプラズマ(電子)加熱を目的とした磁場絶縁型・強パルスイオンビームダイオードを製作し、その初期運転と性能試験を行った。また、軸方向入射プロトンビームがFRCプラズマを通過中にそのエネルギーをディポジットする割合(energy deposite rate)、すなわち入射イオンのプラズマ加熱効率、を単イオン軌道計算から算出した。その結果から、実験プラズマパラメータ領域においては10〜80%のディポジット効率が期待できることが判明した。 上記イオンビームダイオードの半径は11cmである。その有孔アノード電極とカソード電極の曲率半径は30cmであり、この幾何学的効果により高密度イオンビームを集束する。前者の実効的面積は200cm^2である。後者は1cm間隔に配置された厚さ0.2cm、幅1cmの22本の板電極からなり、これらを平行に流れる電流によって両電極間に2〜4kGの絶縁磁場が発生され、これによって高電圧印加時の電極間放電破壊が防止される。 現在50kVの加速電圧でビーム電流は0.5kA、パルス幅は1〜2μs程度である。これは出力が25MW、出力エネルギーが60Jに相当する。実験でのFRCプラズマで顕著に加熱効果を見るには、入力で100MW、エネルギーで2kJ程度必要である。そこで、イオン源プラズマを生成するZピンチガンの電源容量の増強、カソード電極位置の最適化、運転条件の最適化等によりビーム電流とパルス幅をそれぞれ数倍にする改良を行っている。 イオン軌道計算から算出した50keVのイオンビームのプラズマへのenergy deposite rateはTe=50〜100eV、n_e=5〜10x10^<15>cm^<-3>において、プラズマイオンの実効的電価数が1.5〜2.0の範囲で20〜80%となり、現実的なFRCプラズマ加熱が期待出来ることが明らかになった。現在、イオン軌道計算に利用しているFRC磁場配位モデルをより現実的なものにする改良を行っている。
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