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1995 年度 実績報告書

ラジカル制御による高効率アモルファス太陽電池の製作

研究課題

研究課題/領域番号 06452427
研究機関東京農工大学

研究代表者

上迫 浩一  東京農工大学, 工学部, 助教授 (40092481)

研究分担者 永吉 浩  東京農工大学, 工学部, 教務職員 (80251586)
清水 卓夫  東京農工大学, 工学部, 助手 (90015040)
キーワード水素ラジカルCVD / アモルファス太陽電池 / アモルファスシリコン / 成膜機構 / 計算機シミュレーション
研究概要

本研究はアモルファス太陽電池の高効率化及び高信頼化を図るため、高品質な薄膜を作製するための新しいプロセスを開発すること、及びその手法を太陽電池の製作に適用を検討することを目的としている。
今年度は、本研究で注目している水素ラジカルCVD法により、ジシラン及びアセチレンを原料ガスに用いて、アモルファスSi及びアモルファスSiCの作製を行い、膜特性を評価し、高品質化の方向を検討した。また、水素ラジカルの効果を詳細に明らかにするため、マイクロ波励起によって生成され、反応室に供給される水素ラジカルの濃度及びその分布についても測定を行った。さらに、高品質アモルファス薄膜の形成に必要な成膜条件及びその要因を明らかにするため、計算機シミュレーションによる反応機構の解析を行った。その結果以下のことが明らかになった。
アモルファスSiの成膜において、ジシラン流量を少なくすることによって、成膜表面に対する顕著な水素ラジカルの効果が現れ、これを制御することによって光感度、光安定性とも良好な薄膜が形成できることが明らかとなった。また、この成膜法の特徴として150℃程度の低温でも良好な薄膜が形成できることも分かった。アモルファスSiCの作製においては、アセチレンの供給条件の最適化が重要であることと、アモルファスSiと同様に、膜特性への水素ラジカルの影響が大きいことが確かめられ、水素ラジカルの入射量が多くなると光安定性が向上することが分かった。水素ラジカル濃度の測定により、反応室内における水素ラジカルの分布状態を推定することが可能となった。反応機構のシミュレーションの結果からは、気相中のシリコン系ラジカル及び水素ラジカルの濃度分布が推定でき、高品質な薄膜が形成されるための最適条件が理解できるようになった。
以上、水素ラジカルが高品質なアモルファス薄膜を形成する上で重要な働きをすることが明らかになり、高効率アモルファス太陽電池の製作に応用できる可能性が得られた。まだ実際に太陽電池の製作は実現できてないが、この成果を基に、引続き研究を継続し、実現を目指す予定である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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