研究課題/領域番号 |
06452429
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 一洋 京都大学, 工学研究科, 講師 (50025996)
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研究分担者 |
山中 正宣 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (10029118)
藪下 信 京都大学, 工学研究科, 教授 (60025921)
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キーワード | ソーラーレーザー / 太陽電池 / 半導体レーザー / 触媒 / CO_2(二酸化炭素) / メタノール転換 |
研究概要 |
本研究課題「ソーラーレーザーと触媒によるCO_2のメタノールへの転換に関する基礎研究」の当該年度における研究内容は(1)ソーラーレーザーの開発、(2)触媒の特性測定、(3)光によるCO_2転換反応の素過程研究、に分けられる。(1)ソーラーレーザーに関しては、(a)太陽電池と半導体レーザーによるソーラーレーザーシステムに蓄電池を組み込み、昼夜にまたがる連続発振を確認し、回路の電流逆流防止や太陽電池と蓄電池の効率よい組み合わせに関する技術的知見を得た。(b)近赤外光を発生するソーラーレーザーの波長変換に関しては、エルビウムを添加したファイバーにレーザー光を注入し、緑色光への変換を確認した。変換効率の測定を試みたが、正確な値を得るには、装置の改良とファイバー取り扱い技術に、より一層の進展が必要である。(2)触媒については、従来からCO_2の転換用として用いられているFe_2O_3やCuO、光触媒としてのTiO_2、各種ゼオライト、希土類元素などについて(a)紫外・可視・赤外域の吸収スペクトル測定と、(b)CO_2およびH_2Oの吸着・脱離特性を調べた。その結果、光吸収の点ではFe_2O_3が、また、ガスの吸着・脱離特性ではゼオライトが優れていることが判明した。光吸収特性とCO_2の吸着・脱離特性がともに優れた単一触媒は今のところ見いだせないので、人工光合成用の触媒としては、種々の化合物を組み合わせた複合触媒の開発が必要である。(3)については、反応の素過程を追跡しやすいマトリクス試料に関する基礎研究として、吸光度測定技術を確立した。今後は、ソーラーレーザー技術の熟成と、複合触媒の開発、マトリクス試料を用いたCO_2に関する光反応の素過程研究を、行う予定である。
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