研究概要 |
マックスウェル分布型の標準熱中性子スペクトル場と標準的な1/E中性子スペクトル場において、^<237>Np(n,γ)^<238>Np反応の熱中性子断面積及び共鳴積分を測定した。本実験では、^<197>Au(n,γ)^<198>Au反応の熱中性子断面積及び共鳴積分値を標準として求めた。その結果、^<237>Np(n,γ)^<238>Np反応の熱中性子断面積及び共鳴積分として、それぞれ158±3b、652±24bを得た。当研究の成果は、日本原子力学会欧文誌「J.Nucl.Sci.Technol.,Vol.31,No.12,pp.1239-1247(1994)」にまとめ、発表した。 次に、京大原子炉実験所に付設される46MeV電子線型加速器と組み合わせた鉛スペクトロメータを用いて、^<241>Am(n,f)反応断面積を〜0.1eVから数10keV領域において測定した。本実験では、Am-241とU-235の電着膜からなる背中合わせ型の核分裂電離箱を使用し、測定結果を^<235>U(n,f)反応の標準断面積に規格化した。本実験値は100keV以上の領域で大きく相異なるSeegerとKnitter等のデータの中程に位置しており、数10eV以上ではGaytherとBowmanの測定値にむしろ近くなっている。Dabbs等の実験値とENDF-B-VIデータは、今回の測定結果とよい一致を示した。JENDL13.2データでは、全体に本実験値に近くなったが、10〜200eVにおいては実験値より約1/2の低い値となっている。
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