研究課題/領域番号 |
06452431
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井澤 靖和 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (10029316)
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研究分担者 |
陳 延偉 琉球大学, 工学部, 講師 (60236841)
阪部 周二 大阪大学, 工学部, 助手 (50153903)
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キーワード | レーザーウラン濃縮 / 近共鳴相互作用 / 非線形伝播特性 / 空間不均一 / 自己収束 / 非線形屈折率 / ビームブレークアップ |
研究概要 |
原子法レーザーウラン濃縮では、非標的同位体原子とレーザー光の非線形近共鳴相互作用がレーザービームの伝搬特性を支配する。レーザー光強度や原子蒸気密度に空間不均一があると、伝播に伴いビームブレークアップを引きおこす。実験とシミュレーション両面より、空間不均一がビーム伝播特性に及ぼす効果を解析し、分離性能に与える影響を評価することが本研究の目的である。今年度の成果は以下の通りである。 1)Na蒸気中でのレーザービーム伝播特性 Na蒸気中で色素レーザー光の長距離伝播特性を測定した。レーザー光の強度,共鳴線からの離調、Na蒸気密度を制御して非線形屈折率Δnを変え、空間的に不均一な強度分布をもつレーザー光の不均一性の成長の様子を解析した。Δnの増大とともに不均一性が成長し、高調波成分が表れ、ビームブレークアップに至る過程が観測され、シミュレーションによる解析と一致する結果が得られた。 2)空間不均一性の成長と標的同位体イオン化効率の低下 昨年度開発した2次元シミュレーションコードCEALIS-P-2Dを用いて、空間的に不均一な分布を持つ入射レーザー光が同位体を含む原子蒸気中を伝播しながら標的同位体原子を多段階電離する過程を解析した。回折により伝播とともに空間強度分布は変形するもののイオン化率に与える影響はそれ程大きくないこと、初期の不均一性があるレベルを越えると不均一性の成長によりイオン化率が急速に低下することなどが明らかになった。ウラン濃縮の場合、許容しうる不均一性の目安は±5%程度である。
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