研究課題/領域番号 |
06452435
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀池 寛 大阪大学, 工学部, 助教授 (20252611)
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研究分担者 |
持田 孝史 大阪大学, 工学部, 教務職員 (40263222)
井上 正二 大阪大学, 工学部, 教務職員 (10203233)
宮崎 慶次 大阪大学, 工学部, 教授 (40029202)
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キーワード | 核融合炉 / ITER / リチウム / 自然対流 / 熱伝達 / 温度揺らぎ / 相互相関 / 磁場 |
研究概要 |
高速増殖炉は液体金属ナトリウムで冷却され、核融合では磁場閉じ込め、慣性閉じ込め等の方式によらず液体金属リチウムが冷却材とトリチウム増殖材に使用されると考えられる。現在国際強力で進行中の国際熱核融合実験炉計画ITERではブランケットに液体金属リチウムを停留させておき、それを貫通する冷却管でガス又は水冷却する機構が検討されている。このブラケツトの冷却特性の把握には液体金属の自然対流熱伝達特性の研究が必要で、高速増殖炉の循環ポンプ停止時の冷却特性の把握の上でも重要である。 昨年度に容器の外側を強制空冷し中心に加熱用ヒ-タを備えた、液体金属リチウム自然対流熱伝達実験装置を製作し、低熱流束下での自然対流実験を行い装置の基本特性を把握した。 本年度は最大磁場0.8テラスと高い磁場、最大熱流束が20MW/cm^2までと大きく領域を広げて実験を行い、詳細に熱伝達特性を求めた。また温度揺らぎを精密に計測して測定点間の相互相関を解析し、局所的および大局的な対流の挙動を調べた。その結果、自然対流における局所的揺らぎが中程度の磁場により促進されることが確認され、この時には無磁場時とは非常に異なる流動様式を示すこと、ある一定値以上の磁場にて突如揺らぎが消滅し熱伝達が低下すること等がわかった。揺らぎの振幅の大きさと熱伝達特性には強い関連があり、磁場を適度に加えることにより熱伝達特性の向上も期待可能であることが判るなど、核融合ブランケットの研究に資する成果を得ることが出来た。この結果は今後学会等で発表して行く予定である。
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