研究課題/領域番号 |
06452436
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
棚橋 秀伍 核融合科学研究所, 安全管理センター, 教授 (30023683)
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研究分担者 |
力石 浩孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60249969)
山田 修一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50249968)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 超伝導コイル / 断路器 / 永久電流運転 / 極低温 / 低抵抗 / 接点 / 接触抵抗 |
研究概要 |
大型ヘリカル装置などの大型超伝導コイルを備える実験装置にあっては、その実験目的からして、コイル電流を一定に保持する必要のある時がある。この様な場合、超伝導コイルの永久電流運転が可能ならば、極めて好都合である。しかしながら、コイル電流が最高値で32kAにもなる大型ヘリカル装置では永久電流運転は出来ない。現在技術では「断」時の絶縁耐力が数1000Vあり、「接」時の抵抗がゼロで電流容量が数10kAというスイッチが無いからである。従来実験用小型超伝導コイルでは超伝導線の超常転移を利用した超伝導スイッチが用いられてきた。しかし大型コイルでは超伝導線に安定化材が用いられ「断」時の抵抗は大きくならない。そこで発想の転換を行って、常伝導の機械スイッチを考えてみようとした。これなら「断」時の抵抗は始めから大きく有望であるが、問題は「接」時の抵抗がゼロではないことである。しかしこれをどこまで下げうるのかを究明した。 本研究の当面の結論は以下の通りである。低磁場領域において、かつ液体ヘリウム中において鉛錫半田でメッキされた銅接点同士を圧接摺動させる接点とする。曲率半径20mm長さ20mmの円筒状突起と平面からなる接触部を有する接点において接触面を厚さ0.15mmから0.5mm半田メッキを施し、接触圧力70kgから80kgで圧接後数回しゅう動させると良好な接触が得られる。200Aで0.1μΩ以下、100Aで0.01μΩ以下の接触抵抗となる。100A以下では抵抗値が緩やかに減少しているものの超伝導となっている可能性がある。もしこれを多数並列接続するとすれば、電流バランスは100A以上で非ゼロ抵抗が発生して自然に電流分配がおこなわれる。1個の接点にやや大きめの電流を考えて300Aで0.3μΩとすれば、100並列では電流容量30kA、接触抵抗値0.003 μΩとなる。この場合1H級コイルでは減衰時定数は10年となる。100並列が現実に可能か否かは今後の課題であるが、一つの可能性を示しているといえる。
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