DNAプローブ集積チップは、多種類のDNAオリゴヌクレオチドを微小なドット・マトリックスとして基板上に末端固定したものである。このチップは、ゲノムマッピングにおけるクローンの整列、SBH、遺伝子診断、遺伝子発現パターンの計測などにおいて非常に有用な道具と考えられている。本研究では、あらかじめ合成して精製したDNAオリゴヌクレオチドを、フォトリソグラフィを利用して所定の位置に末端で共有結合固定することことによりDNAプローブ集積チップを製作する方法の開発を試みた。あらかじめ合成して精製したDNAオリゴヌクレオチドを末端固定する方法であるため、塩基配列探査の精度をあげるために必要な長さをもつDNAオリゴヌクレオチドを基板上に集積化することができる。また、cDNAのPCR産物などを微小なドット・マトリックスとして基板上に固定して集積化することも可能である。平成6 年度は、DNAオリゴヌクレオチドを光照射により末端共有結合固定する化学反応系の基本的部分を開発するとともに、フォトリソグラフィによチップを作製するための装置を落射蛍光顕微鏡を基にして製作した。平成7年度はこれらの成果をもとに、ドットの大きさが400μm程度の簡単なDNAプローブ集積チップを製作し、ターゲットのDNAオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより塩基配列の識別が出来ることを確認した。
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