研究概要 |
1.新潟油田地域の寺泊層ケロジェンの赤外吸収スペクトル特性 (1)日本分光FTIR300Eを用いて,ケロジェンの赤外吸収スペクトルを測定し,昨年の成果として得られたIR熟成経路ダイアグラム(竹村・秋山,1994)にプロットすると,タ-ビダイト泥岩(Et)のケロジェンがタイプIIに(半)遠洋性泥岩(Ep)がタイプとIIの間にプロットされる. (2)メチレン鎖の伸縮振動を示す2930cm^<-1>の吸収強度とCH_3伸縮振動を示す2950cm^<-1>の吸収強度の比はメチレン鎖の長さを表す指標である,とされている.測定の結果は例外なく,Etのケロジェンに比べてEpのケロジェンの方がその比が大きい.FTIRによる赤外吸収スペクトル分析の結果からは,Epのケロジェンがメチレン鎖にとみ,メチレン鎖も長い.一般に,石油生成能力の高いケロジェンは分岐の少なく,かつ長いメチレン鎖とされている. (3)上記の結果は寺泊層岩相Epのケロジェンの方が岩相Etに比べてより石油生成能が高いと考えられる. 2.基礎試錐「高田平野」コア試料のケロジェン FTIRによる測定結果をIR熟成経路ダイアグラムにプロットした結果は,室内での加熱実験から示された結果とは必ずしも一致していない.今後は地質試料の分析値を増加させて,地質試料を使ってのIR熟成経路ダイアグラムの検討が必要である.
|