研究概要 |
1.元素分析計により,鉱物中の炭酸,水,硝酸,硫酸の含有量を分析する際に,標準的な使用方法にさまざまな工夫を加えて標準物質を分析した.その結果,精度の良い分析が行えるようになった. 2.標準物質のシスチン,アセトアニリド,スルファニルアミド,スルファチアゾール,アントラセン,ジフェニルチオ尿素,スルフォナ-ルを分析し,良好な結果を得た. 3.天然産の試料のうち化学組成的に均質で良質な結晶の得られた方解石,シデライト,石膏,アポフィライト,トバモライト,スコータイト等を分析し,良好な分析結果を得た. 4.みょうばん石族鉱物は,硫酸,アンモニアおよび水を種々の割合で含むので,みょうばん石,ジャロ-サイト,アンモンジャロ-サイト,ナトロアル-ナイトの分析を行い,各々の含有量について検討した.その結果,理想式からかなりはずれるもののあることが判明し,みょうばん石族鉱物の一般式について再検討の必要なことが明かになった. 5.岡山県備中町布賀に産するシビルスカイトやオルシャンスカイトの分析を行い,その含水量として理論値に近い値を得た. 6.エトリジャイト族の鉱物の分析を行い,種々の含水量,含炭酸量,含硫酸量の鉱物の存在を明かにし,EPMAによる分析の結果とあわせて,この族中の鉱物の化学組成を検討した. 7.天然において,タケダアイトは部分的にオルシャンカイトと方解石の混合物に変質している.これはタケダアイトの加水反応であるとともに加炭酸反応であり,この混合物の含水量と含炭酸量を分析することによって,タケダアイトがオルシャンスカイトと方解石に変化している割合を決定した.
|