研究課題/領域番号 |
06453005
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10250507)
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研究分担者 |
渡邊 修一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (00167131)
大場 忠道 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
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キーワード | 炭素同位体 / 窒素同位体 / 沿岸堆積物 / 生物活動 / 同位体分別 / 古環境復元 |
研究概要 |
本年度前半は主として海洋試料の同位体分析のための諸条件を確定し、連続観測のための実験系を整備した。微量有機物の炭素窒素同位体分析および海水中の硝酸態の窒素同位体分析について試料の前処理、質量分析方法全般について新たに検討し直し、これらの分析については炭素、窒素とも数μmol程度まで正確に計測できるように実験設備の設定を行った。一方、野外調査は予定どおり北海道の噴火湾で10月に開始し、3月上旬までに計4回の噴火湾上での調査を実施した。調査項目として水温、塩分、栄養塩、溶存酸素、pH、アルカリニティ、pCO2、の分析を行い、噴火湾内水の水塊特性を追うと同時に、表層の各層から採水した海水を濾過し懸濁粒子を採取し、炭素・窒素量の分析(POC,PON)およびクロロフィルの分析を行い、生物活動の消長と化学成分相互関係を観測した。溶存炭酸の炭素同位体分析用のサンプルは船上でアンプルに約40試料採取した。冬季間に混合した噴火水の中で活発なブルーミングが2月上旬より認められ、この間の物質循環が急速に変化していることがわかった。この期間に形成された有機物の同位体組織の連続的変化を知るために湾中央部の水深60mに時系式セディメントトラップを設置した。これは現在稼働中であり、1月以降数日間かくで沈降粒子を捕集する実験を実施中である。同時に湾央の代表点でグラビティーコアラによる表層堆積物および海底直上の懸濁層の採取、および動植物プランクトンネットによる生物試料の採取を行った。これらの試料は北海道大学大学院に持ち帰り、同位体分析のための前処理を行っており、今後順次測定を行っていく予定である。
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