研究概要 |
2,5-スチリルピラジン単結晶の固相重合のメカニズムを検討した.反応の手段として,光,ガンマ線,電子線を用いた.時間分解のピコ秒レーザーフォトリシスの結果,吸収-発光スペクトルにおける構造は,単なるπ-π^*遷移の振動構造のみならず,2,5-スチリルピラジンのダイマーやトリマ-などのエキシマーを含むことが分かった.すなわち,この単結晶は予想されていたような均一なものではなく,内部にさまざまな種類のサイトを含むものであった.同様の発光スペクトルが電子線パルス照射でも観測されたことから,基本的に同じエネルギー移動過程が存在することが分かった.反応前後の吸収-発光スペクトルの解析から,オリゴマー化からポリマー化に進行する段階がどのようなものであるかを明らかにした.
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