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1995 年度 実績報告書

有機高温超伝導体のモデル化合物の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 06453039
研究機関広島大学

研究代表者

大坪 徹夫  広島大学, 工学部, 教授 (80029884)

研究分担者 瀧宮 和男  広島大学, 工学部, 助手 (40263735)
安蘇 芳雄  広島大学, 工学部, 助教授 (60151065)
キーワード有機電導体 / 有機超伝導体 / 分子錯体 / X線構造解析
研究概要

本研究では、k型有機超伝導体の最適モデル化合物として、積層型TTFのシクロファン化合物に着目し、その系統的合成研究を行なった。前年度の研究では重なりが大きく固定される四架橋の化合物に着目し、その合成研究に専念した。その結果、可能であるパラレルとクロスに積層した二つの異性体の両方のタイプの化合物の開発に成功した。しかし、それらを母体とする分子錯体の電導度は半導性しか示しておらず、期待はずれであった。その原因として、固定された構造はむしろ相互作用に適していないと考えられた。そこで本年度は、TTFが二架橋鎖で積み重ねた化合物の合成を行なった。目的とした二架橋のTTF化合物はある程度相互作用できるように動くことが可能である。TTFが4価であることより、このような化合物はシス-シス、トランス-シス、トランス-トランス(キラル)、トランス-トランス(アキラル)の4つの構造異性体混合物からなることが分かった。各々の異性体は分別結晶により単離精製に成功し、その構造はX線結晶構造解析法および核磁気共鳴法で同定出来た。これらの化合物を母体とする分子錯体の形成を試み、いくらかの分子錯体を作ることが出来た。そのなかには金属的電導性を示す分子錯体を作るものも生まれ、一応の成果を収めることができた。また、これらの錯体の構造を詳細に解明することにより、その物性と構造の相関について明らかにすることができた。これらの成果を基礎として、さらにk型の超伝導体の作成研究に発展させるのが今後の課題になると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kazuo Takimiya: "Crisscross-Overlapped Tetrathiafulvalenophanes" Tetrahedron Letters. 36. 5045-5048 (1995)

  • [文献書誌] Kazuo Takimiya: "Double-Bridged Tetrathiafulvelenophanes as Novel Electron Donors:Syntheses, Structures, and Properties of Three Structural Isomers" Chemistry Letters. 735-736 (1995)

  • [文献書誌] Koji Matsuo: "Double-Layered Tetrathiafulvalene as a Novel Electron Donor" Chemistry Letters. 523-524 (1995)

  • [文献書誌] Atsushi Bitoh: "Syntheses and Properties of 2,5-Bis[2-(tetrathiafulvalen-2-yl)ethenyl]thiophene and Related Compounds as Novel Dumbbell-type Electron Donors" Synthetic Metals. 70. 1123-1124 (1995)

  • [文献書誌] Tetsuo Otsubo: "Dimeric Tetrathiafulvalenes and Related Compounds as a New Class of Electron Donors" Advanced materials. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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