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1994 年度 実績報告書

新奇[3.3]シクロファン類の合成、構造、ならびに渡環Π-Π相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 06453042
研究機関九州大学

研究代表者

新名主 輝男  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (90037292)

研究分担者 武村 裕之  九州大学, 理学部, 助手 (60183456)
キーワードシクロファン / 立体配座 / 遷移金属錯体 / Π-Π相互作用 / アヌレン / プリズマン / 電荷移動錯体 / Π-電子
研究概要

二個の芳香環を複数個のトリメチレン鎖で架橋した[3.3]シクロファン類を基本骨格とする構造的かつ理論的に興味ある新奇化合物を合成し、それらの構造、物性、および機能を明らかにすることを研究の目的として、以下の三つのテーマに焦点を合わせて研究をおこなった。
1.多架橋[3_n]シクロファン類の合成研究
(1)段階的に架橋鎖を導入する方法に従って、三架橋体から五架橋体までの合成を終了し、現在六架橋体の合成を進めている。五架橋体の最安定配座と動的な構造を明らかにし、また、電子スペクトルから五架橋体では非常に強い渡環π-π相互作用が存在することを明らかにした。今後、合成した多架橋[3_n]シクロファン類のヘキサプリズマン誘導体への光異性化反応を検討する。
(2)多架橋[3_n]シクロファン類に金属クロムが内蔵された錯体を合成して、新しい酸化還元触媒、有機磁性体、および導電体としての可能性を調べる目的で、金属蒸発装置を作成した。この装置を用いて、現在、クロム原子が多架橋[3_n]シクロファンに内蔵された錯体の合成と、母体化合物であるビス(η^6-ベンゼン)クロムの酸化還元反応触媒としての可能性を探っている。
2.三次元的なπ電子の広がりを持つ新奇シクロファン類の合成と渡環π-π相互作用
三次元的なπ電子の広がりを持つ新奇アザシクロファン類の合成に役立つ、シアナミドを窒素源とする新しい[3.3]アザシクロファン類の合成法を開発した。現在、この方法を用いて目的化合物の合成を進めている。
[3.3]アヌレノファン類の合成とそれらの渡環π-π相互作用
(4n+2)(4n+2)π系の渡環π-π相互作用を調べるためのモデルである14π系[(4n+2)π,n=3]からなる二層アヌレンをSmI_2による二量化反応を経由して合成した。現在、引力的な相互作用が期待される(4n)π系の性質を示すアヌレン(4n,n=3,12π)を含む化合物の合成を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Teruo Shinmyozu: "Synthesis of [3_5](1,2,3,4,5)Cyclophane" Chemistry Letters. 669-673 (1994)

  • [文献書誌] Teruo Shinmyozu: "Synthesis and Conformational Study of anti-15,18-Dimethoxy[3](2,6)-p-benzoquinono[3]metacyclophane-2,11-dione" Chemische Berichte. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Teruo Shinmyozu: "A Simple Synthetic Method of [3.3]Azacyclophanes" SYNLETT. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Hiroyuki Takemura: "Synthesis of Azacalix[n]arenes and Their Properties" Journal of the lnclusion phenomena. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Hiroyuki Takemura: "Nitrogen-bridged Macrocyles:Synthesis,Structures,and lnclusion phenomena" Coordination Chemistry Reviews. (印刷中). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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