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1995 年度 実績報告書

トリプチセン型化合物のラジカル反応

研究課題

研究課題/領域番号 06453044
研究機関岡山理科大学

研究代表者

大木 道則  岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)

キーワード回転異性体の反応 / ラジカル反応 / 過酸エステル / チオキソピリジルエステル / 熱分解 / 光分解
研究概要

3-メチル-3-(置換-9-トリプチシル)ブタン過酸t-ブチルの置換を1,2,3,4-テトラクロロ、1,2,3,4-テトラフルオロ、1,4-ジメトキシに変えて、それらのトルエン中の熱分解反応を行なった。熱分解速度については、ap異性体もsc異性体も変化がなく、置換基による変化もなかった。これは、酸素・酸素結合が切れる遷移状態において、置換基の影響がないことを示しているが、その理由は置換基が関与するためには8員環を作る必要があり、これはエントロピー的に不利なためと考えられる。それにも拘わず、置換基がクロロの場合に、他の置換基には見られない生成ラジカルとベンジルラジカルとの再結合化合物が生成した。これは、律速段階の遷移状態には関与できなくても、生成物分布には影響を与えうる例である。
無置換の3-メチル-3-(9-トリプチシル)ブタン過酸t-ブチルについても熱分解を行なった結果、置換基がある場合と比較して顕著な変化が見られた。それは生成するラジカルとベンジルラジカルとの再結合化合物が顕著に増加し、分子内でラジカルがベンゼン環に付加してできる5員環化合物の生成が激減する点である。これはラジカル中心が、置換基があるとその立体効果のために、トリプチセン骨格に押し込まれているためと考えられる。実際置換基の大きさが大きいほど、ap体からの5員環化合物は増加する傾向にある。
上記ベンジルラジアルとの再結合化合物を、相当するアルデヒドに臭化フェニルマグネシウムを作用させ、次いで加水素分解を行なう方法で合成した。標品は、反応混合物中の化合物と同一であった。テトラブロモ化合物については、合成が困難で、過酸エステルおよび予想される生成物の合成に時間がかかり、最終的な結果を得るに至っていない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S. Toyota: "Thermolyses and Photolyses of 2(1H)-Thioxo-1-pyridyl 3-(1,4-Dimethyl-9-triptycyl)-3-methylbutanoate Rotamers" Bull. Chem. Soc. Jpn.69. 177-187 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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