研究課題/領域番号 |
06453050
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
春日 邦宣 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00032615)
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研究分担者 |
杉森 保 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60263505)
半田 真 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (70208700)
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キーワード | フタロシアニン / 構造異性体 / 二酸化炭素 / 光触媒 / 酸化触媒 / メタン |
研究概要 |
本年度の研究は(1)構造異性体を有しない四置換フタロシアニンの合成、(2)CO_2の光還元によるメタンの発生、(3)CO_2の化学的固定、(4)オレフィンの酸素酸化の4テーマにつき次のような成果を得た。 (1)構造異性体 四置換フタロシアニンには4種類の構造異性体があり、一般にはそれらの混合物が用いられている。適当な嵩高さを持つアルコキシ基である3-pentoxyをフタロシアニン環に導入することにより異性体の数の制御に成功した。またこの1種類の異性体を用いてニッケル(II)錯体を合成し、単結晶を作りX線結晶構造解析を行なうことができた。 (2)CO_2の光還元 トリスルホフタロシアニナト亜鉛(II)錯体を光触媒として用いて、水-DMSO混合溶媒中で可視光照射によりCO_2からメタンを発生することができた。 CO_2の化学的固定 フタロシアニナトアルミニウム(III)錯体存在下CO_2とプロピレンオキシド(PO)から環状炭酸プロピレンを合成した。昨年この固定反応の機構として六配位錯体の形成、それに続くCO_2およおびPOの挿入反応を経て反応が進行することを報告したが、今回は四級アンモニウム塩存在下同様に反応を行ったところ、六配位錯体の形成を経ずに進行する機構の存在を見いだした。 (4)酸化触媒反応 Mn(III)、Fe(III)およびCo(II)のフタロシアニン錯体を触媒として、NaBH_4存在下O_2によるオレフィンの酸化反応について検討した。Mn,Fe錯体ではラジカル機構を、またCo錯体では有機金属錯体の形成を経て酸素酸化が進むことを見いだした。また重水素化合物を用いて酸化生成物中のプロトン源についても検討した。
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