研究概要 |
アンチモンとヨウ素の超原子価化合物の結合を^<121>Sbおよび^<127>Iメスバウアー分光法により明らかにすることを目的とする。 ジケトアミンを配位子とするアンチモン(I)化合物1(ADSbO)のRがtert-ブチル基のDitBuADSbOとアダマンチル基のDiAdADSbO(ともに10-Sb^I-3擬三方両錐SbNO_2E_2型,Eは孤立電子對)、二つのEの一つが白金に配位した10-Sb^I-4の(DitBuADSbO)_2PtI_2と10-Sb^<III>-4の擬三方両錐SbNO_3E型の付加物DitBuADSbO・ochloranilを合成し、そのメスバウアースペクトルを20Kで測定した。ADSbOのab initioMO計算を行ない、スペクトルを解釈した。 ヨウ素化合物として、Sb^Iと等電子構造のI^<III>の擬三方両錐ICCl_2E_2型の10-I^<III>-3化合物IPhCl_2およびそのフェニルパラ位誘導体、X-C_6H_4-ICl_2(X=H,F,Cl,Br,COOH CH_<3'>NO_<2'>m-CF_3)、ICOClE_2型の2、3、とICO_2E_2型のIPh(OAc)_2やIPh(OCOCF_3)_2などを合成し、その^<127>Iメスバウアースペクトルを20Kで測定した。メスバウアーパラメーターから求められた原子価電子の5s,5p軌道のポピュレーションはアピカルのI-Cl,I-O結合にヨウ素の5p電子が引かれていることを示した。また、化合物2、3の単結晶X線構造解析を行なった。 このようにT字型分子のアピカル超原子価結合について有意義な知見を得た。
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