研究概要 |
(1)ゲルの体積相転移における分子運動の測定と解析 N-イソプロピルアクリルアミドゲル中に色素をドープし,相転移点近傍で精度が数mKの自作温度制御器を用いて,蛍光スペクトルと蛍光異方性比スペクトルの測定を行った.その解析の結果から,体積相転移前で色素の回転運動が遅く,転移後でその運動が早くなることが確認された.一方,架橋点密度と転移温度の関係は,3乗根の関係があることがわかった. (2)画像処理法によるゲルの体積相転移と相分離過程の競合現象の速度論 N-イソプロピルアクリルアミドゲルを1mm以下のガラスセルに封入し,体積相転移温度以上にクエンチし,その体積収縮過程をビデオで追跡し,コンピュータ画像処理を用いて解析した.その結果,クエンチ温度が高い方が白濁速度が速く,且つ,収縮速度が遅いことがわかった. (3)金属イオン添加でのDNAのヘリックス-コイル転移近傍下での分光学的解析 DNAは約80-90℃付近でヘリックス-コイル転移を起こすことが知られている.DNA水溶液に色素をドープし,インターカレーションした色素の蛍光偏光解消を測定し,解析を行った.バッファ溶液や金属イオンの種類による依存性が非常に大きいことがわかった.
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