研究概要 |
1.D-キシロースを出発原料とするD-グルコピラノース型ホスファ糖の立体選択的新合成法の開発:D-キシロースを出発原料として5段階で比較的簡便且つ効率よく鍵中間体1,2-O-イソプロピリデン-5-(エトキシ)フェニルホスホニル-5-デオキシ-3-O-ベンジル-D-キシロピラノースが多量得られる方法が確立された.この化合物から3段階で5-デオキシ-5-フェニルホスホニル-3-O-ベンジル-D-キシロピラノースが得られる。この分離精製は困難であったので、アセチル化した後にシリカゲルカラム分離により、1,2,4-トリ-O-アセチル体として精製した.次に、このアセチル体を種々の塩基処理により、リン原子のα炭素(5位)アニオンを作ろうとしたが、容易に脱酢酸によるα,β-不飽和化合物が生成する等で、困難なことがことが判明した。そこで、メタノール中酸性条件下で脱アセチル化を行い、このメチル化を行うと、1,2,4-トリ-O-メチル体が調製できた。この化合物をKHMDS,MeI/THF,-78℃,2h処理することにより,標的化合物である5,6-ジデオキシ-5-フェニルホスホニル-3-O-ベンジル-1,2,4-トリ-O-メチル-D-グルコピラノースがジアステレオ選択的に得られることが分かった.現在,この反応の収率向上,及び1,2,4-位の保護基をベンジル基とし、D-キシロフォスファ糖の5位の選択的ベンジルオキシメチル化を検討中である。 2.グリニア反応を用いる新規閉環C-P結合形成による1-デオキシ-D-キシロピラノース型ホスファ糖の合成:この合成経路の検討中に、2-オキソ-1,2-オキサホスホリナン骨格を持つ新しいタイプのリン糖が容易に合成できる経路が見出された。 3.上記合成の中間体及び生成物の生物活性についてはグリコシダーゼ酵素拮抗阻害作用など順次テストしている。
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