研究課題/領域番号 |
06453079
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
井川 博行 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30016612)
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研究分担者 |
小俣 孝久 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (80267640)
林 剛 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (70016385)
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キーワード | 電気粘性流体 / 電気粘性効果 / チタン酸バリウム / 界面活性剤 / 強誘電体 |
研究概要 |
○チタン酸バリウムへの界面活性剤の吸着と絶縁油中への分散 実験に用いて水熱合成チタン酸バリウム微粉末(粒径0.1μm)は、低級アルコール中には良好に分散するが、トルエンやキシレン中には全く分散しない。前者の極性と凝集力が分散に好都合で、後者の無極性が凝集の原因であると、この現象を解釈した。 各種界面活性剤をチタン酸バリウムに吸着させ、それによる絶縁油中への分散を研究した。その結果、ステアリン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ジスロホコハク酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(OS-14)の吸着により良好な分散体が得られることが判明した。 界面活性剤の吸着様式につき研究した。即ち、所定量のエタノール溶媒とチタン酸バリウムに、SDSあるいはOS-14の添加量を変化させた分散系を作製した。その結果つぎのことなどが判明した。(1)エタノール中に良好に分散したチタン酸バリウムのζ電位は約+40mVである。(2)SDSの添加量が50mg/g-BaTiO_3まではζ電位が低下するが、それ以上の添加してもζ電位は+16mVでほぼ一定になる。(3)OS-14の添加量が16mg/g-BaTiO_3でζ電位がゼロまで低下し、それ以上添加するとζ電位は負になる。 ○チタン酸バリウムの加熱温度が電気粘性効果に及ぼす影響 上記チタン酸バリウムのX線回析指数200のピークに、正方晶を示す分離が全く認められない。それを各温度で2時間加熱すると、750℃では不明瞭であるが800℃では分離が明瞭になり、1000℃で本来の正方晶の分離状態に近くなった。 チタン酸バリウムを10vol%添加したシリコンオイルを長時間混合し、十分に解砕した流体の電気粘性効果を回転円筒式粘度計により測定した。その結果、次のように新しい興味深い現象を発見した。(1)電気粘性効果の大きさが焼成温度により大きく変化し、700℃で極大になる。(2)電気粘性効果の測定温度依存性が700と800℃焼成物で他とは異なる。
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