研究概要 |
新しく電磁誘導加熱用電源およびコイルを購入,設置し,コイル部に粒子コーティング用の内径31mm,高さ250mmの石英ガラス製流動層(分散板:厚さ5mm石英ガラス製多孔質板)を取りつけた。流動化ガスとしては窒素ガスをボンベから供拾し,コーティング用粉体を流動化させ,被コーティング金属粒子を層上部から投入して,金属粒子の外表面にコーティング用粉体をコーティングさせる実験を行った。 実験は大きく次の2種類に分類される。 1)溶融金属粒子の表面に非溶融セラミックス粉を融着させる。 2)加熱金属粒子の表面にプラスチック粉を融着させる。 1)の実験には粒径の異なる鉄と銅粒子の被コーティング粒子を誘導加熱により融点以上に加熱し,非導電性のホワイトアランダム粉を表面に付着させる実験であるが,冷却水の水量の制限のため,高周波出力を11.3kWにまでしか上昇できなかったため,鉄粒子にコーティングすることはできなかったが,300μm以上の銅粒子表面は良好にコーティングすることができた。 2)の実験では,金属粒子の加熱により粒子表面に存在するプラスチック粉が溶融して付着するものであり,コーティング粉末としてのポリ塩化ビニル,ポリエチレン,および,エポキシ樹脂のいずれの粉末を使用した場合にも,金属粒子の表面にmmオーダのコーティング層が形成できた。このように,電磁誘導加熱を使用した新しい方法が,熱的コーティングプロセスとして採用できることを確認した。
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