研究課題/領域番号 |
06453098
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
RAJAPPAR Ver 東北大学, 工学部, 助教授 (20250706)
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キーワード | 超微粒子 / シンタリング / 分子動力学法 / 密度汎関数法 / コンピュータグラフィックス / パラジウム / 金 / 担持金属触媒 |
研究概要 |
高活性で長寿命な担持金属触媒の開発には、原子・電子レベルでの知見を得ることが必要不可欠である。本研究では、分子動力学(MD)法、密度汎関数法(DFT)およびコンピュータグラフィックスを用いて、種々の固体表面上の金属超微粒子の微細構造、動的挙動および電子状態に関する検討を行った。 平らなMgO(100)表面上に2個のPd_<32>超微粒子を担持しMD計算を行ったところ、低温ではシンタリングが起こらなかったが、高温ではPd_<32>超微粒子同士が合体する様子が再現された。また、金属超微粒子のシンタリングを防止する観点から、MgO(100)表面上に原子ホールを作成し、その中に超微粒子を担持することを考えた。MD計算の結果、原子ホールによりPd_<32>超微粒子のシンタリングの防止が可能であることが明らかとなった。 種々の固体表面上の金属超微粒子の電子状態に関してDFTに基づいた量子化学計算を行った。その結果、MgO(100)面上に担持されたPd超微粒子は基板との界面において、かなり分極を起こすことがわかった。さらに、電子密度、静電ポテンシャルマップ、HOMO、LUMOなどに関して詳細な検討を行った。 固体表面上での金属超微粒子の形成過程をシミュレーションすることが可能な新しいMD計算プログラムを開発した。このプログラムを用いてMgO(100)面上におけるAu超微粒子形成過程のダイナミックスを原子レベルで解明した。また、MgO(100)表面にステップが存在する場合には、ステップ位置でAu超微粒子が形成されることも明らかにした。さらに、基板温度の効果、発生させたAu原子の速度の影響などについても検討を加えた。
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