研究課題/領域番号 |
06453098
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
ANDRAS Stirl 東北大学, 工学部, 講師 (30271860)
EWA Broclawi 東北大学, 工学部, 助教授 (00261587)
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キーワード | 担持金属 / 金属超微粒子 / 担体-金属間相互作用 / 電子状態 / 分子動力学法 / 密度汎関数法 / コンピュータグラフィックス |
研究概要 |
自動車排気ガスを浄化する三元触媒や、環境に対しクリーンであるエネルギー源として期待されており、かつ天然ガスの有効利用法の1つとしても注目されている触媒燃焼技術に用いられる燃焼触媒など、現代社会において今や必要不可欠と思われる実用触媒の研究・開発が盛んに行われてきた。本研究では、これまで経験的要素の多かった触媒開発に新たな方向性や評価法を確立するため、分子動力学(MD)法や密度汎関数(DF)法による量子化学(QC)計算ならびにコンピュータグラフィックス(CG)などの計算化学的手法を駆使して、アルミナなどの固体表面上における金属超微粒子の微細構造やダイナミックス等について検討した。平成6年度では、ステップや点欠陥を利用した金属超微粒子の高分散担持や担持金属触媒のEXAFSシミュレーションによる、金属超微粒子の微細構造解析、および種々の担持Pd触媒の電子状態において有用な知見を得てきたが、さらに平成7年度では、(1)種々の酸化物表面上での金超微粒子のシンタリング機構や表面構造および担体-金属接合界面の役割に関する検討により、これまでよりもさらに多くのモデルにおける金属超微粒子のダイナミックスを得ることができた、(2)EAM-MD法による、より精密なポテンシャルを用いた金属表面再構成の再現とその機構の解析によって、従来のMD法よりもさらに高精度な原子レベルでの固体表面における動力学の考察の可能性が見出せた、(3)DF法を用いたQC計算を採択した担持貴金属触媒とその酸化状態の電子状態およびメタンの解離過程を検討し、実用上重要な担持Pd,Rh触媒上でのメタンの吸着ならびに活性化機構における電子状態の違いの重要性を示唆できた、さらに(4)周期境界条件を組み込んだDF法を用いることでさらに実際の系に近い担体-金属モデルの検討が可能となり、また触媒と吸着分子間の相互作用もかなり正確に議論することが可能になった。このように前年度に増して研究が進展しており、十分かつ実りある研究成果をあげることができた。
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