研究課題/領域番号 |
06453102
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
若林 勝彦 九州大学, 工学部, 教授 (20220832)
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研究分担者 |
水上 富士夫 工業技術院, 物質工学工業技術研究所, 室長
長田 秀夫 九州大学, 工学部, 助手 (70221463)
岸田 昌浩 九州大学, 工学部, 助手 (60243903)
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キーワード | 金属粒子径制御 / シリカ担持Rh触媒 / マイクロエマルション / CO水素化反応 / CO_2水素化反応 / 新規触媒調製法 |
研究概要 |
本研究の目的は、金属粒子径や金属粒子の担体上での配置などの微細構造が反応に適するように制御された触媒を調製する方法を確立することである。そのための新規な触媒調製法としてマイクロエマルションを利用する方法(ME法)を開発している。本年度は特に担持金属粒子の粒子径制御について検討し、以下の知見を得た。 1.シリカおよびジルコニア担持貴金属(Rh、Pd、Pt、Ir)触媒をME法によって調製したところ、従来の含浸法触媒よりもCOおよびCO_2の水素化活性が著しく高いことがわかった。 2.その中でも活性が最も高いシリカ担持Rh触媒について、Rh担持量が一定のもとでのRh粒子径制御を試みた。 3.触媒調製に用いる界面活性剤を種々変えてRh触媒を調製し、透過型電子顕微鏡観察、X線回折測定によって各触媒中のRh粒子径を測定した。その結果、界面活性剤の種類によってRh担持量一定のもとでRh粒子径を制御できることがわかった。しかし、いずれの界面活性剤にも構成元素にはないNaが多少含まれており、特にNa含有量の多いTweenやAOTは調製後の触媒にNaが残存し、CO水素化反応特性に大きく影響した。そこで、Na含有量の少ないNP-5を取り上げて粒子径制御の検討を進めた。 4.マイクロエマルションのミセルの大きさとそのマイクロエマルションを用いて調製した触媒中のRh粒子径との相関性を調べた。その結果、ミセルの大きさが大きくなるほど調製されるRh粒子径は大きくなることがわかり(3〜6nm)、ミセルの大きさによってRh粒子径を制御できることがわかった。また、同様に原料Rh塩濃度を変えることによっても金属粒子径が制御できることがわかった。 5.これらの触媒のCO水素化反応特性を調べたところ、Rh粒子径が約4nmのところでターンオーバー数が最も高くなるということがわかった。
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