研究概要 |
本研究の目的は、金属粒子径や金属粒子の担体上での配置などの微細構造が反応に適するように制御された触媒を調製する方法を確立することである.そのための新規な触媒調製法としてマイクロエマルションを利用する方法(ME法)を開発している.本年度は担持金属粒子の微小化および金属粒子の露出率向上に関する検討を行った. 【1】シリカ担持Rh触媒のRh粒子径は,前年度までの検討でマイクロエマルションのミセルの大きさなどによって3〜6nmの範囲で制御できることがわかったが,本年度は,界面活性剤の親水基長さおよび疎水基長さの影響や溶媒効果などについて検討を行った結果,1.8〜9nmの広い範囲で粒子径を制御することが可能となった. 1.8nmと極めて小さくかつ均一なRh粒子をもつ触媒が調製できたことの意義は極めて大きい. 【2】前年度までの検討で,ME法で調製した触媒のRh粒子は,その一部が担体内に埋没してその部分が触媒として有効に機能していないことがわかった.そこで,ME法において触媒調製条件がRhの表面露出率に及ぼす影響について調べた.その結果,加水分解時間を短くし,かつ含水率を大きくすることによって,Rhの表面露出率を80%近くまで高くすることができた.また,表面露出率が向上することによって,CO水素化活性が前年度の触媒の数倍も高くなった. 【3】ジルコニア担体Pd触媒などにおいても,比活性が最も高いPd粒子径を保ったまま,Pdの露出率を上げることによって,CO水素化活性が数倍向上した.
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