科学研究補助金(一般研究(B))により大気圧下-走査型トンネル顕微鏡を購入した。納入時期が11月であったためや研究室の移転時期と重なったため、まとまった成果はまだ得られいないのが現状である。これまで得られた結果と問題点を以下に述べる。 1.大気圧下でのSTM観測 まず、大気圧下でグラファイトの劈開面を原子レベルで観測できることを確認した。また、Auの真空蒸着薄膜のグレインの観測を行ったところ、真空蒸着時の蒸着速度や基板の加熱温度によってグレインの大きさが変化することが判った。 2.X線照射下でのSTM観測 X線を照射するとSTM像が乱れしまうことが判った。この原因の1つは、大気圧下で測定しているため空気が電離されることが考えられる。よって、現在、真空中仕様のSTM装置に改良中である。温度制御・防振についても対策が必要であることが判った。 3.平成7年度の計画 真空仕様のSTM装置の動作確認を行った後、当初の計画に従いX線を照射して実験を行う。この時のX線の分光器も準備している。
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