研究課題/領域番号 |
06453121
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
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研究分担者 |
今西 誠之 三重大学, 機器分析センター, 助教授 (20223331)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
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キーワード | 安定化ジルコニア / スカンジア安定化ジルコニア / 高温固体電解質 / イットリア安定化ジルコニア / 酸化物イオン導電体 |
研究概要 |
本研究では高温固体電解質燃料電池の高性能化をめざし、高い酸化物イオン導電率を示す固体の探索をまざしてきた。M_2O_3-ZrO_2系(M=三価金属)固溶体の合成を共沈法、クエン酸法、ゾル-ゲル法、噴霧熱分解法等により試みた。特に、共沈法によりあとの洗浄処理や仮焼処理をうまくやると、ほとんどどの組み合わせにおいても1700℃,12時間の焼結で100%に近い焼結体が得られた。そこで、系統的にイオンサイズの異なるM^<3+>イオンを選び(Sc^<3+>、Y^<3+>、Nd^<3+>、Gd^<3+>、Dy^<3+>、Yb^<3+>など、及びこれらの固溶系)固溶体を作成、構造とその温度変化、酸素イオンの導電率の測定(バルクと粒界)を行い、固溶イオンの違いによる酸素イオン導電性の違い、最大導電率が現れる固溶組成決定などの精密化を行った。固溶可能な3価イオンのうちではZr4+と同じサイズのSc3+がやはり高いイオン導電率を示した。Sc_2O_3、3-4mol%で単斜晶、5-6ol%で正方晶、8-9mol%で立方晶、11-12mol%で菱面体晶が得られた。これらの結果は報告された状態図とほぼ対応しているが、正方晶の存在範囲がいささか高いSc_2O_3組成側であった。正方晶の導電率は1000℃でお約0.1S/cmとY_2O_3安定化ジルコニア(YSZ)のそれとほぼ同じ導電率を示した。また立方晶の導電率は1000℃で0.3S/cmとYSZの約3倍の値を示した。菱面体相はさらに高い値を示した。現在イオンサイズがZr^<4+>より小さいGa^<3+>やFe^<3+>の固溶体の合成を試みている。
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