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1994 年度 実績報告書

不均質融体(液体)モデルの実証とガラスセラミックス開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06453123
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

大田 陸夫  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30026124)

研究分担者 福永 二郎  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (80027797)
キーワードガラス融液 / リチウムケイ酸塩 / 結晶化 / DTA / 結晶化温度 / 結晶核 / 不物質液体
研究概要

ガラス融液中に微結晶核が存在するとする不均質液体モデルの確立の実験
リチウムケイ塩酸(Li_2O・2SiO_2組成)をモデル実験の対象とした。この組成のガラスを1300℃、2時間溶融して作製し、二つの種類の実験(A)および(B)を行なった。(A)1035℃〜1200℃までの種々の温度にこのガラスを1時間保つ。急冷ガラスを600℃〜650℃の各温度で20分〜45分熱処理する。生成した結晶核の数を光学顕微鏡を使って数える。また最大結晶片の短軸長を測定する。溶融温度に対して結晶核の数Nおよび短軸長をプロットすると、溶融温度の高いガラスほどNは少なく、融点(1033℃)に近いほどNの値は大きくなった。また短軸長の大きさは溶融温度が高いほど小さく、融点に近いほど大きくなった。これらの結果は不均質液体モデルの構造と合致する。(B)上記の溶融熱履歴をもつ2種のガラスを示差熱分析(DTA)によって結晶化挙動を解析した。バルクガラスと粉末ガラス(平均粒径400ミクロン)を使用した。昇温速度1℃/分〜20℃/分で加熱すると700℃〜750℃に結晶化ピーク(ピーク温度Tc)が現われた。Tcはガラスの溶融温度が高いほど高く、融点に近いほど低くなった。加熱速度が速くなるとTcの温度差は増大した。粉末ガラスではなお表面結晶化の影響が大きいことが判明した。DTA測定途中のガラスを取り出し、微結晶の数Nを顕微鏡によって測定した。Nは溶融温度が高いほど少なく、融点に近いほど多くなった。これらの結果は融液中には微結晶核が温度に応じて分布していると仮定すると説明できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] R.Ota: "Crystallization kinetics of a Li_2O・2SiO_2 melt based on a Liguid midel" CHIMIKA CHRONIK,New Series. 23. 385-390 (1994)

  • [文献書誌] R.Ota: "Glass-forning tendeny and crystallizatim bebaior in the Li_2O-Na_2O-K_2O-SiO_2" J.Non-Cryst,Solids. (in press). (1995)

  • [文献書誌] R.Ota: "Amorphous regions and crystallization behavior of RF-sputtering films in the B_2O_3-Na_2O-Al_2O_3 system" J.Non-Cryst,Solids. (in press). (1995)

  • [文献書誌] R.Ota: "Amorphou-forming regions of RF-sputlered films in the B_2O_3-Na_2O system" Bull.Inst.Chem.Res.Kyoto Univ.72. 95-104 (1994)

  • [文献書誌] 若杉 隆: "高周波スパッター法によるSiO_2-CaO系薄膜のアモルファス化領域と熱的安定性" 日本セラミックス協会学術論文誌. 103. 64-69 (1995)

  • [文献書誌] 三嶋尚史: "Li_2O・2SiO_2融液の熱履歴と核生成挙動" 材料. (印刷中). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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